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大阪の教育委員さん頑張れ!

 大阪府教育委員のダイキン工業副社長が、ある府立高校の名をあげて、「成績の悪い生徒が皆そこへ行く」などと発言したと報じられた。

 確かに公開の場での発言としては不適切であったと言わざるを得ない。この発言が在校生に伝わればどのような感想を持つかと考えると、悲しい気持ちになる。教師としてどのようにフォローすればいいのか想像もつかない。

 しかし、現実はこの委員の言うとおりなのかも知れない。授業に参加する人数も少なく、参加していても寝ている生徒が多数いたり、携帯をいじったり、横の友達としゃべったりしているのだろう。委員が視察をした際にそのような光景を見て驚いて報告する中で先の一言となったらしい。

 私もかつていわゆる困難校にいた。自分の名前が漢字で書けない生徒がいた。九九を覚えていない生徒がいた。字が読めない父親にかわって成人指定の本を朗読させられ国語だけは得意になったが他の教科は全くできず留年した生徒もいた。努力の仕方が全くわからず脇に人がついていないと勉強も宿題ができない生徒もいた。7人兄弟の上3人だけが同じ父親で後の4人は母親の乱行の結果生まれてきたという家庭もあった。彼が家計を支えたいといって退学するのを私はだまってうなずくしかなかった。

 こんな子供たちが集まっている学校が確かに存在するのである。入学は定員割れで入った子の約半分が退学する。まじめな生徒から「こんなところでやってられない」とやめていくのである。そんな現場が各県に複数存在するという現実を、教育委員や教育再生委員会の方々は把握しているのだろうか。そんな現場でも何とかよくしようと必死で取り組んでいる教員集団がいるということを分かっているのだろうか。

 私は喫煙やシンナー吸引や暴力が見つかり常に誰かが家庭謹慎しているという学期を2回経験したことがある。その間の家庭訪問の回数は数え切れない。謹慎の訪問だけではなく勉強の家庭訪問も行うのだから、その回数は膨大な数になる。保護者の暴力的な言動で、無事に帰れないのではないかと思ったこともある。なのに県教委からは「回数の報告を数であげてくれ」と一枚の報告用紙が来るだけである。ねぎらいの言葉も何もない。

 今の教育現場には、現場の把握と教員の頑張りへのねぎらいが決定的に欠けていると思う。悪い教師の話ばかりが話題となり、本当に現場で何が起こっているのかが把握されていない。いや本当は把握したくないのではないかと思うくらい教師の言葉に耳を傾けない。教師が一番現場の状況を把握しているのに、その教師をバカにするという人は本当に教育を何とかしようとしているのではないと思う。おもしろがっているだけだ。

 大阪の教育委員さん。学校の実名をあげたのはまずかった。でも現場を見て何とか支援できないかとされたあなたの姿勢を私は買います。あなたのような人に頑張ってもらいたいのです。もう少し慎重に。そして今後も現場が変われるようご努力下さい。

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