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近江と観光

 今日は、「近江シリーズ」として近江の観光について書いてみたいと思う。

 前から言っているように近江の国・滋賀の魅力の一端は「ほったらかし」にあるというのが私の持論だが、観光目的にちゃんと整備されているところや伝統的に観光地となっているところもちゃんと存在しており、それはそれで魅力がある。しかし、京都と比べると確実に見劣りするし、観光という言葉で「滋賀へ」という方はあまりおられないのではないだろうか。今回は、そんな近江・滋賀の見所をあえて紹介したい。近江は観光資源にむしろ優れていると思う。

☆近江八景

 近江の観光地というと江戸時代なら近江八景である。しかし時代も移り、今観光地として耐えられるのは「石山の秋月」(石山寺)、「三井の晩鐘」(三井寺)くらいである。

 「比良の暮雪」(比良山系)は景色としては素晴らしいが観光地としては今ひとつ。「瀬田の夕照」の瀬田の唐橋は日本三名橋の一つに数えられるもののトラックも走る鉄筋製で、期待しすぎるとがっかりすること請け合いだし、「堅田の落雁」の堅田浮御堂も再建で文化財として今ひとつである。「唐崎の夜雨」は由緒ある松の木が残るだけ。「矢橋の帰帆」「粟津の晴嵐」は見る影もない。

 そこで新たに考えられたのが「琵琶湖八景」である。近江八景が湖南地域に偏っていたのにくらべ、滋賀県全域から誇りうる景観が選ばれた。瀬田などに少し不満もあるが、現代の近江・滋賀県を代表する景色なのである。

 以上のことにまず触れてから、それ以外の観光地の紹介をしたい。

①琵琶湖

 言わずと知れた日本一広い湖・琵琶湖である。地元の人は「うみ」という。固有種が多く、なかでも源五郎鮒から作る「ふなずし」は近江の名物ではあるが、独特のにおいを嫌って食べられない人も多い。一度挑戦をお薦めする。これを食べられたら近江人である。

 特に夏は琵琶湖の季節である。近江大橋よりも南部を南湖、北部を北湖というが、泳げるのは北湖である。南湖は水が汚くてちょっと無理。しかし、草津市の南湖沿岸は、無料駐車場付の芝生が広がり、多くのバーベキュー客でにぎわう。近くのコンビニや家庭用品店にもバーベキューに必要な用具がそろっている。公衆トイレもちょいちょいあって便利である。もっとも地元民にとっては混雑して結構迷惑なのであるが。

 一年を通して湖岸を歩く人は多い。観光バスでいらっしゃって歩いて夕方集合というパターンもあるようだ。年配の方のツアーや若者の琵琶湖一周サイクリングへの挑戦など、リーズナブルな自然体験にもってこいなのが琵琶湖なのであろう。

 琵琶湖というと「釣り」を連想する人も多い。琵琶湖の天敵ブラックバスはここでは勝負の相手となり、多くの釣り客が挑戦する。ただし、「キャッチ&イート」が条例で決まっており、釣った魚をリリースすることは禁じられているのでご注意を。

 風景は湖北がお薦めである。竹生島(ちくぶしま)をのぞむ奥琵琶湖パークウェイは絶景だ。また、海津大崎の桜は湖岸に桜のトンネルを形成しすばらしい。

②古城

 近江は歴史の国土である。なかでも戦国~近世期の城には事欠かない。とにかくいっぱいある。

 まず井伊家35万石の彦根城が世界遺産の暫定リストに登録されていることは以外と知られていない。しかし、姫路城には負けると思うが、掛け値なしに名城であると思う。天守が現存で縄張りが保存されている城は、姫路・彦根・丸亀・弘前しかないと聞いたことがあるが、国宝天守は姫路と彦根・松本・犬山になるので、姫路城と彦根城がいかに貴重な城かわかろうというものだ。加えて、彦根には城下町が残っている。姫路にはない。とにかく一度訪ねられることをお薦めする。

 次に安土城である。建物は残っていないが石垣はすごいものである。これだけの規模のものはそうはない。さすがは織田信長の天下普請である。平山城なので体力の消耗度も低い。なぜこれだけ有名で手頃な城に見学客が来ないのか不思議でしょうがない。最近整備工事がすすんでいるらしいがやめてもらいたい。私はほったらかしがいいのである。摠見寺仁王門(重要文化財)の仁王像の色がはげ落ちているのがいいのである。三重塔(重要文化財)がボロボロで倒れそうなのがいいのである。最近入山が有料になったという噂を聞いたが、あれほどの文化財がタダだったことが異常なのである。これも一見の価値ある城である。

 次に観音寺城である。京極氏の城である。俗に五大山城といわれる戦国の山城である。近江には他に小谷城(浅井氏)も五大山城に数えられている。だれが五大山城を決めるのかは知らないが、そういわれても納得できるだけの石垣群である。ただし山頂までの徒歩は結構疲れるので、ヤマビル対策など装備から覚悟していただきたい。

 他にも、長浜城などがあるが、再建天守でもあるしそんなに薦めない。ただし長浜は別に触れたい。

 以上の城はすべて湖東地方にあり、一泊二日程度での旅行をお薦めする。宿泊は彦根がいいと思う。

③長浜

 今、近江でもっとも観光客を集めているのが長浜である。年間460万人の人が来るという。彦根城という武器をもった彦根市の290万人を遙かに超えている。大河ドラマの影響もあるようだが、それ以上に「黒壁スクエアー」の人気がすごい。もともとは第百三十銀行(明治銀行)の建物が教会になっていたものを1989年に黒壁ガラス館として残したもので、「なんで長浜にガラスやねん?」と決して地元受けしたものではなかったのに、何故か観光客に大受け。どんどん拡張してさびれまくった旧商店街が完全に生まれ変わってしまった。こういう町おこしの成功例は全国にもちょっと無いと思う。小樽の取り組みに近いのかな?周辺に温泉もあるので宿泊も可能である。

 さらに足を北へ伸ばせば井上靖が「日本一美しい観音像」と評した国宝・渡岸寺十一面観音もある。この観音は地元の方々によって保存されたもので、「渡岸寺」は寺の名ではなく地名である。10数年前に見に行ったときは、土蔵の中で寂しく市販のライトをあてられており、案内のおじいさんが一人おられて見学者が来ると説明のテープの再生ボタンを押されていた。地元に守られた観音といえば聞こえはいいが、国宝としての扱いを受けているとは言えなかった(近年は耐震ケースに入れられたと聞きました)。もちろんそこが近江のよさなのである。

 もちろん彦根見学と組むこともできる。彦根も城下町の改造・再生に取り組んで成功しており、湖東・湖北は今後楽しみである。

④重要伝統的建造物群保護地区

 昔の町を堪能したい人は、重要伝統的建造物保護地区へ行かれるのがいい。近江には3カ所ある。大津市坂本、東近江市五個荘町金堂、近江八幡旧市街である。どれも近江ならではで、色を塗り直したり無理をして観光客相手の店を出したりしていないのがいい。本当にタイムスリップした感じがする。そこに普通に人が住んできたのである。ここが近江のいいところだといつも思うのである。他の地区は、関宿(三重県)にしても妻籠宿(長野県)にしても、色を塗り直したり店が出来たりで俗化しつつあるところが多いと思う。

 特に近江八幡は八幡堀が有名で、年間220万人を超える観光客を集めていると聞いた。落ち着いたいいまちである。

⑤甲賀・信楽

 甲賀は甲賀忍者の里。甲賀町の忍者村と甲南町の忍術屋敷はなかなか面白い。一見の価値はある。しかし、そんな感想も信楽高原に上がれば忘れてしまう。ここは別世界なのである。信楽といえばタヌキの町。それは確かなことで陶器屋の店先に所狭しと並べられた大小のタヌキが独特の景観を醸し出している。しかし、それだけではない。ここでは何かが他の地域と違う。例えば喫茶店の名前。「ロクロ」「ネンド」。そんな名前の喫茶店は絶対に他にはない。朝宮地区へ行くと茶畑が広がるが、ここでは茶店にはいると「朝宮茶」のメニューがある。まさに喫茶店。注文すると、茶葉と急須・ぐい飲みのセットに茶菓子が付いてくる。結構いけるのである。陶器の狸を初めて作った「狸庵」さんへ行くと、本当に様々なタヌキにお目にかかる。ゴルフ狸や嫁入り狸なんか絶対売る気で作ったのではないと思う。他にも道ばたに巨大な寝ころんだタヌキがあって驚いていたら実は陶器屋だったり、信楽駅の公衆電話は巨大狸の通い帳だったり、とにかくここは何か常識が違うのである。半日でいいので、いろんな陶器屋へ入って話をすることをお薦めする。信楽には年間160万人が訪れるという。

⑥高島・朽木

 高島市は、近江の中でも長く俗化しなかった地域である。観光資源といっても安曇川の扇骨、先に書いた海津大崎の桜、箱館山のスキー場(人工降雪機あり)くらいしかない(スキー場は他にもマキノ・朽木・国境など)。

 しかし、ここ近年高島の食が注目されるようになった。鮒寿司はもちろん松の司などの地酒、箱館山や朽木のそば、鯖街道沿いの鯖寿司、宝牧場のソフトクリーム、安曇川の鮎などである。さらに朽木温泉「天空」などの人気温泉がある。

 しかし、なんといっても最近の注目は新旭の「川端(かばた)」であろう。川端を中心に新旭の里山と水辺をめぐるツアーがけっこうはやっているらしい。近江には自然と共生した生活が生きている、そう感じられるツアーのようだ。

 地域は離れるが、そういう生活は琵琶湖の対岸の米原市番場の地蔵川にも見られる。旧中山道なので、歩いて見られるとよい。落ち着いた雰囲気に「ほっこり」すること請け合いである。ついでに醒ヶ井の養鱒場に行かれるとおいしい鱒に出会えます。

国宝・重文寺社めぐり

 近江は京都・奈良についで国宝・重要文化財建造物の多い地域である。そのほとんどが寺社であるが、国宝は奈良・京都についで22件で3位、重要文化財は京都・奈良についで179件で同じく3位である。ちなみに建造物以外の国宝でも、東京・京都・奈良・大阪についで5位である。大都市には国立博物館なんかがあるが、近江の国宝はもともとの場所にあるのが特徴である。そのことはすなわちこうした文化財が京都・奈良と違ってバラバラに配置されていることになるので、観光客にとっては不便なのである。大津市の延暦寺や「近江八景」にも数えられる三井寺・石山寺なんていう有名な寺はそうでもないが、観光客なんか当てにしないで、相変わらず地元の檀家さんに支えてもらっている国宝寺社もある。ある国宝寺社を車で訪ねたら、大きな放し飼いの犬が車に飛びかかってきた経験がある。そんな例外を除いたら境内に入ったって誰もとがめない。逆に言うとじっくり本堂・三重塔を鑑賞することができる利点があるのである。

 そういう意味からも寺社の本当に好きな方は、京都よりも近江の寺社をお薦めする。ただし、一日にいくつも回れないのが難点である。

 一応地域別に列記しておこう。

☆大津地区 延暦寺・日吉大社(2件)・園城寺(三井寺)(2件)・勧学院・光浄院・石山寺(2件)

☆湖南・甲賀地区 御神神社・大笹原神社・苗村神社・常楽寺(2件)・長寿寺・善水寺

☆湖東・湖北地区 金剛輪寺・西明寺(2件)・都久夫須麻神社・宝厳寺  彦根城も忘れずに。

 ちなみに重要文化財寺社ならそこらにいっぱいある。国宝が多いので観光資源にはならないくらいあるのである。ちょっと古い道を走ればすぐに見つかります。

⑧琵琶湖博物館

 滋賀県で唯一のリピーターの見込める官製施設。それが琵琶湖博物館である。博物館の中では全国3番目の入場者数を誇ると言う。とにかく入れば分かる。工夫が面白い。遊び心があるのである。子ども連れには特にお薦めである。特に淡水魚水族館は素晴らしいの一言。隣の水性植物園と一緒に行かれると良い。

⑨その他

 他にも観光客を集めている施設にはブルーメの丘などいっぱいある。是非一度我が故郷近江・滋賀へゆっくり行ってみて下さい。

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