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モンスターペアレント

 最近、モンスターペアレントという言葉を聞く。学校現場に理不尽な要求をする保護者のことである。よくできた言葉だと思う。その実態は本当にモンスター。要は「怖いものなし」なのである。自分と自分の子どもの世界が経験のすべてであるにもかかわらず、多様な子どものいる学校という世界を自分の世界に押し込めてはばからない。教師を教師と思っておらず、トラブルが起これば悪いのは常に教師か他の生徒。義務を伴わない権利しか主張しない、戦後民主主義の悪しき申し子、それがモンスターペアレント達である。

 彼らは担任をほとんど信用していない。すぐに校長に訴えたり、教育委員会に訴えたりする。教育委員会は基本的に議会に指を指されないことばかり考えており教員の味方ではないのですぐに校長に対応を指示する。校長は在任中に問題を起こしたくないので担任のせいにする。かくしてすべての難問は担任に押しつけられるのであるが、モンスター達はそうした教育界の実態をよく知っており、担任いじめと自身の要求の実現に実にうまく教育委員会を使う。「担任なんかに言ってもあかんで。教育委員会にいうたら一発や」などと会話しているのを直に聞いたことがある。

さらに子どもにまで担任や学校の悪口を聞かせているので、子どもは教師の言うことを聞かなくなること請け合い。教師は親の悪口を子どもの前では言わないがそれは常識の範疇のはず。しかし、常識は破ったもの勝ちのゆがんだ権利意識の彼らには、そんな教師の配慮はかえって教師いじめの格好のアドバンテージ。かくして子どもは学級崩壊の原因となり、教師は無能の烙印を押されるのである。

そんなモンスター達で、見聞きしたものをあげてみよう。

①体育祭の本部テント(放送・来賓の接待・救護などをする中枢機能を司る場所)にいつの間にか入ってきて、「先生、邪魔です」とのたまうモンスター。さらには救護対象の生徒が連れてこられても動かないモンスターもいた。

②小学校で、「うちの子は塾に行っているので、夏休みの宿題は無しにして下さい」とのたまうモンスター。

③卒業アルバムに自分の子の写真が少ないので、作り直しを要求するモンスター。

他にもいろいろなモンスターがいる。

○給食費を払って欲しいといったら、「もっとおいしくせよ」と逆ギレするモンスター。

○校則通りに携帯電話を取り上げて1日あずかったら、基本料金の日割りを要求するモンスター。

○頭髪を染めてきたので指導したら「みんなやっていると子どもがいっている」と子ども丸飲みの抗議をするモンスター。

○親通し仲が悪いので、子どものクラスの変更を要求するモンスター。

○クラブの試合に出られなかった子どもの腹いせに、顧問の変更を要求するモンスター。

まだまだいっぱいある。

こんな親に育てられた子どもはどうなるだろう。自分のことしか考えない親が、えてして子どもにまで学校批判、担任批判を繰り広げるのである。子どもは学校不信になり、教師不信になり、学級崩壊の急先鋒となることもあるという。担任教師は日々悩み、苦しんでいるのである。新任教師が成長する前につぶされるパターンもある。精神を病む教師も多い。

私は以前、4月に「教育方針はいろいろあるがそれぞれ長所と短所がある。うちのクラスの教育方針は私が学年・学校と相談して決めている。長所を生かして短所を無くしていけるように保護者の皆さんのご協力をお願いします。」と先手を打ったことがある。これは大成功だった。しかしそんな成功例はむしろ少ない。

モンスター対策は、学校だけの問題ではない。そんな子どもが増えると日本が危ない。真剣に考えるべき問題なのである。

卒業生の同窓会に招待された時のこと。もう30代半ばの卒業生達の会話からモンスターを嗅ぎ取り恐ろしくなった覚えがある。ひとしきり自戒の念を感じた。

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