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衆議院再議決と参議院問責決議

ガソリン税の暫定税率継続の是非をめぐって、与党が衆議院の2/3で再議決する可能性が取りざたされている。テロ対策特別措置法案でやったのと同じ手法だ。今日民主党は、「衆議院の2/3再可決は憲法の特例的規定で、もしもう一度与党がこれをやったら参議院での首相問責決議も辞さない」と述べた。

一体何を言っているのか分からない。

衆議院と参議院の議決が異なるとき、衆議院で再議決すれば法案として成立するのは、憲法第59条第2項に定められた規定である。憲法は他にも参議院に対する衆議院の優越を認めており、例えば衆議院で可決した法案を60日以内に参議院が採決しなければ法案は成立する、とか、予算案は衆議院が先に議決する、とか、他にも条約、内閣総理大臣の指名、内閣不信任決議などがある。

衆議院の優越の理由としては、

衆議院は任期が短く解散もあるので世論を反映しやすい議院である。したがって予算などの単年度課題は衆議院が優越したほうがよい。逆に参議院は任期が長いので、長期に渡る検討を要する議案の提出が期待されている。

などと言われている。

同じ両院制でも、イギリスの貴族院は世襲。ドイツの上院は州政府による任命。フランスは下院議員と地方議員で上院議員を選ぶ。選び方が違うので上院の権限は日本よりも小さいところが多い。アメリカは上下両院とも民選で基本的に対等の権限を有するが、下院は外交に関わらず上院は予算に関わらない。上下両院に権限に差があるのが世界の両院制の常識なのである。日本の両院制は両議院ともに民選議員で構成されているので同じ権限でいいのではないかと考えがちである。しかしそれでは政治の重要案件が動かないことが考えられる。その意味から、欠かすことの出来ない制度として衆議院の優越を導入しているのであって決して「例外的な規定」などではない。むしろ現在のような事態をあらかじめ想定して規定されているものである。議論の結果が出なければ、これを行使することになんら問題はない。これを否定している自体が憲法の否定である。

(ちなみにそのようにして議決した例は、今回のテロ対策特別措置法で30例目である。)

対して、参議院の問責決議とは何なのか。憲法にもない。法律にもない。法的拘束力もない。しかし、「問責された首相や大臣が出席する委員会や本会議に同席するいわれはない」として半数以上の議員が欠席すれば、委員会や本会議が定足数に達せずに開くことが出来ない。それでは混乱をきたすので、正常化のためには問責された首相や大臣は辞任することが多い、というのだ。つまり、「力わざ」厳しく言えば「脅迫」なのである。

つまり民主党は「憲法の規定に則って議決をすれば、国会を混乱に陥れてやる」と脅迫しているに等しいのではないか。

だいいち参議院問責決議は、不祥事を起こしたとか、問題発言があったとか、そういった場合に用いるのが正しいのではないか。政治的な主張が違うから問責だなんて民主主義の否定だ!そもそも法的根拠がないので、どうにでも使えるいい加減なものになりつつある。

こんなことを問題なく報道しているマスコミ諸君!君たちはどうかしているぜ!みんな!疑問もなく聞き流すのはやめよう!

ガソリンの暫定税率の問題は、「継続」と「廃止」の他に道はないのか。国民的な議論をする必要があるだろう。私たちの世論を国会議員にぶつけるしか解決の道はない。政治が動けばそこには必ず利益を得る国民と不利益を被る国民が出てくる。私は一部の利益団体や官僚ではなく国民の声を拾い上げて、そのそれぞれ矛盾する願いをすべて理解した上で大所高所からの勇気ある苦渋の選択をしてくれる政治家を待っている。そういう政治家は政策判断の決定によって不利益を被る国民のフォローも考えてくれるだろうからだ。「私の言っていることが100%正しい」という政治家をもう信用しない

国民不在の党利党略だけの与野党の攻防はもう見飽きた。

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