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名言の軽さ

鳩山邦夫が、大臣更迭の際に、西郷隆盛の「政府に尋問の筋これあり」を引いて「こういう心境」だと言ったという。この言葉は、西南戦争の際に使われた言葉だ。

政府を離れて地元鹿児島へ帰っていた西郷隆盛が、不平士族が無用な反乱を起こさないよう教育するために作ったのが私学校。しかし政府が政府弾薬庫の移動と西郷暗殺計画を画策するにおよんで私学校の若い士族達の不満が爆発。結局西郷は私学校に担がれる形で兵を率いて上京を目指す。その時に掲げた言葉が「政府に尋問の筋これあり」である。

成功の可能性は限りなくゼロに近い。失敗し自分も若者も多くが死ぬであろう無謀な決起だが、やらざるを得ない。そうした決死の怒りと無念のこもった言葉であると私は受け取ってきた。

そうした史実と比べると、鳩山の言葉の使い方は間違っているし軽い。彼はまだ政権与党の中にいる。政治家をやめろとまではいわないがせめて自民党を離れて使うべき言葉だ。彼には何のリスクもない。彼が自分の主義主張を貫いて大臣をやめたところで命までも奪われるわけでもないし生活ができなくなるわけでもない。そんなお気楽な立場で使う言葉ではないのである。単に、私の意見を聞いて貰えなかった、程度の話なのではないのか。

(私は鳩山が麻生内閣という「泥船」からかっこよく逃げ出す口実にしたとしか思えない。本当に内閣を支える盟友なら、明らかに支持率が下がることが分かっている行為をしたり辞任後に明らかにしなくてもいい事実までペラペラしゃべるだろうか。また、かんぽの宿の一括売却はそんなに悪いことなのだろうか。確かに購入時の土地・建物の金額と比べるとかなり低くなるようだが不良資産なのだからそれは当たり前。いい物件と悪い物件を一括で買ってくれるのだからいい物件が安くなってしまうのも当たり前。マスコミは感情的すぎて冷静に解説しようとしていないように感じる。いつものことだけど)

また、先日の自民党代議士会で古川禎久環境政務官が「自民党は大政奉還を決断して」と語ったと言うが、意味不明。だれに政権を返すのか。国民に返すというなら今は主権在民ではないというのか。現在の政権も選挙で得た議席によってできたはずである。また、大政奉還の意義は、天皇に政権を返すことで討幕派の矛先を流し幕府が実権を握り続けることにあったが、古川の言葉からはそんな遠大な構想など感じられない。軽すぎる

そういえばかつて小泉首相が「米百俵」の話を引いて現在を我慢して将来の利益を得ることを訴え、財政改革を行った。長岡藩は米百俵で学校を作ったが、小泉は教員予算を減らした。都合で変わるんだな、便利なものだな、と思った。

幕末から明治初期に至るまで、命がけで時代を駆け抜けた人たちの行動や言葉には重みがある。軽く使って欲しくない、そういう心境である。

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