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教員養成六年制にも反対する

政治家というものは、時に現場感覚からかけ離れた話をするものである。政治家とはそういうものだと言ってしまえばそれまでの話だが、あまりにかけ離れた政策を実行することは百害あって一利無しである。教員免許更新制はその一つだが、教員養成六年制もそうである。唖然としてしまう。鳩山総理に象徴される「お金持ちの論理」だ。

「教師は重要な仕事だから六年くらいは勉強するべき」という人もいるだろう。しかし、医者や薬剤師、弁護士などの六年間の修学が必要な資格は就業にほぼ直結している。六年間努力すればほとんど必ず就業できるのである。しかし、教師は違う。

「六年間やらなければいけないとなると、いい加減な人はもたない。教員になりたいという意志の強い人が残るからいい」という人もいるだろう。しかし、意志だけでは六年間持たない。実際に就職できるかどうか分からない免許を取得するために六年間をかけるリスクは大きい。家計の苦しい苦学生にとってこの壁はあまりにも大きいだろう。もっといえば、意志の強い人も欲しいが力ある人が欲しい、というのが現場の本音である。この制度は、金持ちのポンポンを優遇し、力もやる気もある苦学生を排斥する事になりかねない。

「一年間の教育実習」なんていうのは、もう愚の愚の愚作である。教育実習がどんなものか分かっていない人のいうことである。日教組がこれを提案したとすれば、組合専従がいかに現場から乖離したものとなっているか、ということの証左となる。そもそも教育実習は医者のインターンと違って教育現場の触りしか経験できないものである。成績、問題行動の指導、カウンセリング、保護者との対応、などの生徒のプライバシーに関わることは一切関わらせない。教科指導やホームルーム指導、休み時間の接し方にプラスしてクラブ指導くらいが教育実習の範囲である。世間の方々が表面的に「教師の仕事」と思っている部分だけしか触らせない。教職の最も大切な部分にはタッチできないのである。いや、させないのである。それも当たり前である。無責任な学生に外で何をしゃべられるか分かったものでないのだから。それでいったい一年間もなにをさせようというのか。

ましてや、経験も責任感も薄い実習生の存在は学校にとって大きな負担なのである。授業内容に間違いもある。実習生が帰った後で授業をやり直す事もあるくらいである。生徒に不用意な言葉を投げかければホローは指導教員の責任。社会人としての自覚に欠ける実習生の指導は大変なのである。それを一年間などとは、現場を知らないとしか言えない。

さらに、教育実習に真面目に取り組もうとすればアルバイトをしている時間などない。私は二週間の実習の間に有り金を使い果たしてしまいしばらく悲惨な食生活をした。一年間バイト無しで実習に取り組めるとしたら、ヤッパリ金持ちのボンボンだろう。

様々な角度から考えて、やはり六年制は無理と言うしかない。

川端氏にいかなる資質があって文部科学大臣になったのか知らないが、組合上がりで教育の現場を知らないなら、教師の意見を聞けばよかろう。教員免許更新制の代わりになるならどんな制度でもよい、ということにはなるまい。

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