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橋下知事について

あきれた話である。
大阪府の橋下知事が鳥取県の平井知事に謝罪したという。謝罪したこと自体は当然であるが、私があきれているのは謝罪した原因となった発言である。「鳥取県は60万人くらいの人口で、議員が40数人いるんですかね。鳥取県議なんて6人でいいんですよ」。約880万人の人口の大阪府で88人の府議にする案を橋下知事率いる大阪維新の会が提出しているからである。
今回のことで分かったことがいくつかある。
一つは、橋下氏は事実を認識しないで雰囲気だけで公の発言をする人物であるということである。政治家失格である。鳥取県の人口は58万人の人口で県議は35人である。だいたいあっている、ではいけない。調べないで発言したということ。このことが重要なのである。
二つには、橋下氏は弁護士なのに法律をよく分かっていない、ということである。地方自治法第90条第2項には、「人口70万人未満の県の県議定数は40人以下」と決まっている。橋下氏が事実誤認にせよ鳥取県の人口を60万人と認識していたとしたら、県会議員は40人以上いるはずはないのである。弁護士失格である。
しかもその分かっていない法律が「地方自治法」とくれば知事失格である。地方自治法もよく分からずに知事をしてもらっては困るのである。
三つには、これが最も重要な点であるが、橋下氏は関西広域連合を「大阪中心で他府県を従わせる」形の中央集権をイメージしているらしいということである。中央政府にかわって大阪がそこに座ろうという発想なのではないか。平井知事の反論に対して橋下氏は「『地方自治だから口を出すな』というなら地方交付税制度は成り立たない。府民の金も鳥取に行っている。」と言った。地方公共団体の財政の偏りを解消するために、国が税金を集め分配するのが地方交付税交付金である。これは国から使途を指定されない一般財源である。橋下氏は、国でさえも使途を指定しない交付金の一部を大阪府民が負担しているであろうからといって口を出すことが正当であると言ったのである。

これが、「ひも付き」補助金を批判して国と対決してきた人物のいうことであろうか。まったく真逆の話である。大阪府知事は国以上に他府県に関与すると言うのである。真の「住民自治の原則」「団体自治の原則」という「地方自治の本旨」(日本国憲法)を実現しようなどという理想はかけらも感じられない。彼は大阪さえよければいいのであろう。

そもそもあれほど強気で思いつきをしゃべっておきながら、会議の場ではあっさり謝罪するというのはどうなのだろうか。信じられない。

大阪維新の会が選挙で勝利してからというものの、橋下氏の傲慢さが目に付く。彼には独裁者になる素質があると私は見ているが、今回の発言はそのとっかかりではないかと警戒する。
大阪の皆さん!しっかりしてや!

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『岳-ガク-』で考えた。

震災から早2ヶ月。この間の消防、警察、自衛隊、東電社員、ボランティア等のご尽力に感動しています。いまだ終わらない悲劇とこれから我が国を襲うであろう深刻な影響を思うとき、緊張を解くことはできません。がんばろう!日本!

とはいうものの、震災被害者の方々に配慮するあまり過度に趣味を我慢するのはよくない、というのはよくいわれること。久しぶりに映画を観てきた。

『岳-ガク-』である。

よかった。感動した。人が助かる話だけでなく、山で死ぬ人も描かれていた。生きることの大切さが描かれていた。自然のなかの人間が描かれていた。久しぶりの感動作であった。

Yahoo映画のユーザーレビューでも概ね評価は高いようだが、極端に評価の低い人がいる。その人たちのレビューを読むと共通点がある。

1.山を描くのに何故小栗旬?長澤まさみ?長澤は最後まで足が細すぎ。

山岳救助を行なうにはひ弱すぎるといいたいようです。私はそんなことは全く気にしません。黒澤映画ならいざ知らず、そんなことを期待して見に行っていませんから。

2.出演者の登山技術が未熟。

当たり前です。時々映画やドラマに剣道をするシーンがありますが、剣道を少しでもかじったことがある人がみれば、ほぼ例外なく不自然でへたっぴです。しかし、大多数の鑑賞者にとっては構わないのです。鑑賞するのが山岳関係者だけというならいざ知らず、そんなことはどうでもいいことです。もちろん細部をリアルに追求する作り方もあるでしょうが、この映画はそういう映画ではないのです。

3.原作マンガのあのシーンがない、このセリフが軽くなってしまった、一つ一つのストーリーに重みがなくなった。

原作のマンガはあくまでマンガです。これは映画です。原作を読んでいない私が観てストーリー的に不自然なシーンは、長澤がロープを切るシーンと小栗が確認もしないで飛び込むシーンだけです。マンガと映画は表現方法が違いますので、カットしたり新しいシーンをプラスするのは当たり前。原作をそのまま映画化してあると思っている人は観ない方がいいと思います。

それにしても最近マンガ原作のドラマや映画が多すぎる、というのはその通りである。今一番創造的な仕事をしているのはもしかしたら漫画家か?とさえ思う。

まあ、どんな映画でも御本人の趣味などで批判的な意見はあるもの。あまりうるさく云わずに感動の余韻に浸ることとしよう。

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