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PTAからの旅費等

昨日今日、和歌山県で大多数の県立高校が、PTA会費から教員の出張旅費や学校の修繕費を支出している、ということが報道された。

「PTA会費が賃金に 和歌山県監査委員が改善求める」

 和歌山県立高校の一部で保護者から集めたPTA会費が、職員の賃金や校舎の修繕費に充てられたことが、和歌山県監査委員の調べで分かった。指摘を受けた県教委が調査を始める。

 県監査委員によると、県立星林高校(和歌山市)で昨年3月、校舎の戸締まりや見回りをする非常勤職員の賃金の一部約1万4千円がPTA会費から支出されていた。また、県立和歌山北高校(同)でも2010年5月、壊れた寄宿舎の配水管を修繕し、PTA会費から約10万5千円を出した。県監査委員は昨年9月に指摘し、改善を求めた。

 地方財政法は「国や県は住民に対し、寄付金を強制的に徴収してはならない」と定めている。楠本隆・代表監査委員は、「PTA会費は事実上、ほぼ強制的に徴収されている。県が支出すべき公費に使うことは、地方財政法にふれる可能性がある」と指摘した。

 楠本委員はさらに「ほかの高校でも、教員が県内外の研究会に出向く出張費や、学校の事務アルバイトの費用をPTA会費で支出するケースがあるようだ」として、口頭で西下博通・県教育長に調査を求めた。

 一方、県教委総務課は「PTAへの加入は任意であり、会費の使い方は学校に一任されている」との見解を示した。指摘を受けた約半年後の現在も調査を始めていない。同課は「使途について各校で実態調査をする」としている。

 県教委によると、県内の全日制県立高校30校と4分校では、「PTA会費」「教育充実費」などの名目で保護者から集められている。生徒一人あたりの負担金額は平均で年約2万3千円で、1千人規模の学校では総額2千万円以上に達するという。(北川慧一、千代明弘)   朝日新聞

監査の方々の指摘は正しい。これらの支出は、本来PTA会費から支払われるものではなく県から支出するべきものである。

かつて愛媛県では、県教員組合が県教育委員会にその不自然さを訴えたという事例があった。

旅費や修繕費にPTA会費 愛媛の県立52校

 愛媛県の県立高校52校が2004年度、保護者が負担するPTA会費など計約1億9000万円を学校の修繕費や教員の出張旅費、備品の購入に充てていたことが22日、分かった。

 日本高等学校教職員組合(東京都)は「学校の経費は本来、県が負担すべきだ。自治体の財政難で学校の運営費が減る中、保護者の負担増につながる」と指摘。県教育委員会高校教育課は「各校がPTAの同意を得て教育活動を支援するために使っており問題ない」としている。

同課によると、支出の内訳は家庭訪問や部活動の引率の旅費に約3100万円、雨漏りやトイレの修理などに約8500万円、事務用品の購入に約7000万円など。PTA会費のほか、生徒会費や振興会費も使われた。

2005.12.22  共同通信

ハッキリ言う。おかしいのは学校現場ではない。県である。

土日の部活動の練習試合に出張旅費も宿泊費も出さない県である。

荒れた学校の窓ガラスが割れても修理費を渋る県である

警備員を廃止して教師に警備までさせる県である。

研修に行け行け、と強制するくせに旅費を出さない県である。

部活動の指導がどれだけ大きな教育効果を生んでいるのか、分かっているはずだ。なのにどうして部活動を正式な教育活動に位置づけないのであろうか。事故が起これば顧問の責任。費用は個人負担。そんな馬鹿な話があるか!そうした県の矛盾をPTAが埋めて下さってきたのだ。全県民が負担するべきものを、PTAがしかたなくかぶってくださっていたのだ。(それでも先日の県外引率では、一泊2000円しかいただけなかった。熱心に指導すればするほど赤字になる。)

監査委員さんは「本来県が負担するべきだ。」とはっきり言うべきだ。「PTAが出すのはおかしい」だけではダメだ。

責めるべきなのは教師ではない。PTAでもない。県である。なにが「県教委が調査を始める」だ!嘘を付け!全部知ってて「これ幸い」と放っておいたくせに。

義家!お前も元教師の端くれなら事情の一分は理解しているはずだ!私学で働いた経験しかなくて知らないなら、公立の現状を謙虚に見ろ!そして、教師が安心して部活動指導ができるように、荒れた学校の修繕費がすぐに出るように、PTAの負担が減るように、システムを作れ!お前も政治家の端くれやろが!

ああ腹立つ。

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国家公務員新規採用40%減を批判する人たちは辛抱ができないのか

国家公務員の新規採用を40%減にする方針が打ち出された。

これに対して、「新しい風が入らないのはよくない」「硬直化した組織になる」という批判が聞かれる。

バカじゃなかろうか。

そんなことは当然予想されていたはず。今頃何を批判しているのかさっぱり分からない。

国家公務員は、同期との競争に敗れた人が早期退職して天下りをし、空いたポストを若手が埋めることで新陳代謝をしてきた。だから天下りを禁止したら若手の上がっていくポストは空かない。新規採用が減るだけでなく、優秀な若手の上がっていく隙間も狭くなる。そこへもって国家公務員の削減を掲げたのだから、新規採用が減るのは当たり前なのである。

「ベテランを減らせばいい」というのはあまりに乱暴な話である。国家公務員も人間である。雇い主は国民なのだから辞めさせたければ辞めさせればいいのかも知れないが、企業が行なっているような強引なリストラを国家が行なえば社会にどんな影響を与えるのだろうか。また、国家公務員は労働権が制限されている。ノーガードの人間を簡単に首を切っていいはずがないだろう。

ちなみに、年長者が残って若手が入ってこないということは、人件費もよりかかるということである。

私達が当たり前のように「良いこと」としてきた「天下りの禁止」「国家公務員の削減」には、こういうマイナス効果もあるのである。

こんなことも考えずに来た人は失礼ながら、「浅はか」としか言いようがない。評論家の宮崎哲哉も関西のテレビで同様の批判をしていたが、明確な対策は言及できなかった。らしくない話であった。

どんなに良いと思われる政策にもプラス面とマイナス面がある。

例えば、大阪都構想。

二重行政は解消できるかも知れないが、今の区役所に仕事の比重がかかり、今の区役所では仕事に対応できないので立て直しの費用は絶対にかかる。大阪市一つでしていた仕事を8~9の区に分割するのだから、同様のことは当然いくつも起こってくる。大阪都に移行する段階では一時期絶対に費用がかかるのである。大阪都に賛成の人は、そのことを含んで、一時期費用がかかっても「長期的に見れば効率的なはずだから」、と辛抱する覚悟が必要なのである。それができないなら賛成してはならないのである。

「天下りはダメ」。それは国民大多数の認識することである。ならば当然起こってくるこうした事態を辛抱する覚悟が必要なのである。

浅はかな認識と、思いつきのような正義感で、突然支援するだけしておいて、すぐによくならないからといって手のひらを返したように批判する。私は今の日本のこういう風潮が大っきらいである。

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「招かれざる客」を見て

昨日、BS・NHKで、『招かれざる客』(1967年)を見た。シドニー・ポワチエ、キャサリン・ヘップバーン、スペンサー・トレーシーの出演。素晴らしい映画だった。

黒人・医師のシドニー・ポワチエがトレーシーとキャサリンの娘と結婚するために家を訪ねてくる。トレーシーは新聞社の社長で、長年社会差別を批判してきた人物だが、いざ娘が黒人と結婚するという現実を突きつけられてとまどう。

その会話の中に、たいへん示唆に富んだセリフがあった。

・ポワチエ『苦労するでしょうが子供は作ります。それが自然だ!』
・トレイシー『娘は何と?』
・ポワチエ『全員大統領にする気です。しかも有能なね!あなたの教育のお蔭です。』
・トレイシー『だが苦労する』
・ポワチエ『彼女は楽観的です。僕は国務長官どまりだと思っていますがね
・トレイシー『それでも心配だと言ったら臆病だと思うか?』
・ポワチエ『いえ でも、時代は変わります!』
・トレイシー『今の我が家ほどの急変はあるまいと思うが、いずれにせよ即答は無理だ!』

現在のオバマ大統領が1961年生まれであることを考えると、1967年以降生まれたはずのこの映画の子どもよりも年長である。ちなみにパウエル国務長官が初の黒人国務長官として就任したのは2000年。『今の我が家ほどの急変はあるまい』といった父親どころか、『時代は変わります』というセリフを考えた脚本家の予想をも上回る速度で、時代は変わったのだ。

1963年まで、白人と同じ公民権がなかった黒人が、55年後に大統領となった。民主党候補を争ったのは女性のヒラリー・クリントンだった。共和党候補は、アイルランド系のマケインだった。アメリカは差別も露骨だが、変化も速い。

日本との違いを感じる。

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