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ある評論家

2週間ほど前、テレビを見ていたら、寺島実郎氏が発言していた。

「日本は政治でメシを食っている人が多すぎるんですよ。」
そうそう、だからこそ「政治家」と「政治屋」を見分けてちゃんと投票しなきゃいけないんだよな、と納得しかけた私の耳に、思いがけない言葉が入ってきた。
「国民一人当たりにすると日本の国会議員はアメリカの三倍いるんです」
だから国会議員を減らすべきだ、といいたいらしい。
これはおかしい。
日本の衆議院議員数480人と参議院議員数242人をあわせると、722人である。これを日本の人口1億2千8百万人で割ると、0.00,000,564である。
アメリカの上院議員数100人と下院議員数435人をあわせると、535人である。これをアメリカの人口3億1千万人で割ると、0.00,000,173である。
だから日本の方が3.26倍多い、といいたいらしい。
しかし、多くの人が知っているように、アメリカは合衆国つまり連邦国家である。50の州=国が集まって連邦政府を形成しているのである。アメリカの本体はまずは州であり、州には憲法もあり、州政府もあり、上院と下院をそなえた州議会もある。制度は各州で異なる。外交などの主権にかかわる問題は連邦議会にゆだねるが、国民生活に密着した政治課題は州議会が担当する。
アメリカの州議会議員数は知らないが、ニューハンプシャー州は下院だけで400人。単純に50州を掛けるとそれだけで2万人になり、アメリカは日本をはるかに越える。日本とアメリカを単純比較してはいけないのである。
基礎になる数字の捕らえ方が間違っているだけでなく、政治家全員を指して「政治でメシを食っている人が多すぎる」と言うのは真面目に活動している政治家も一緒くたにした表現で、総選挙前の大切な時期に影響力のある評論家の言う言葉ではあるまい。
政治嫌いを増やすだけで何の意味もない。
私は看過できず、ご本人にファックスを出した。もちろん実名と返信先を明記し、職業も明かした。言葉も極力丁寧に上記の趣旨を礼を失しないように書いたつもりだ。
しかし残念ながら、2週間たった現在、まだ返事はない。
この程度のものか。
以前、ある評論家が「学校が週休2日になって喜んでいるのは学校の先生だけですよ」と言った。
私は、3年間で12時間が削られた分の行事が無くなるなど学校現場は逆に余裕がなくなったこと、部活動の遠征が増え保護者と顧問の経済負担が増えていること、などを挙げて喜んでいる教師はごく一部であることをメールで指摘した。調べもないで雰囲気だけで発言するのはいかがなものか、と。
件の評論家はすぐに返信をよこし、謝罪し、つぎの番組で訂正してくれた。
ずいぶんと違うものである。
寺島氏が私の中で評価を下げたことはいうまでもない。

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