礼儀と礼節と暴力と
日馬富士が貴ノ岩への暴行の理由に「礼儀と礼節を守らせるためだった」として、引退を表明した。
「礼儀と礼節」のために体罰を行う。これほど矛盾に満ちたことはない。体罰は最も「礼儀と礼節」から外れた行為であるからだ。
これは学校で体罰を行う教師のなかで使われた言い訳と同じである。「貴ノ岩が礼儀を踏み外してさえいなければ」という視点でこの問題をとらえ、暴力を過小に評価する論調があるが、そういう人のなかには、教師の体罰もあり得る、という考えの人がどうやらいそうだ。
剣道や柔道などの武道の世界にもそういう指導者かいる。いまだに体罰を行っている少年剣道の指導者も知っている。親はそれを承知でそこに子どもを通わせているのだ。子どもは強くはなるが、ただそれだけ。そもそもその指導者は礼節を欠いた人物で有名である。
もう一度言う。暴力ほど「礼儀と礼節」に外れた行為はない。日馬富士は間違っている。
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