教員免許更新制はやっぱりおかしい
教員免許更新講習を受けた。
やっぱり、意味がない制度である。すぐにでもなくすべきだ。
本来、教員免許更新制度とは、「教員免許状が教員として必要な資質能力を確実に保証する ものとなるようにするとともに、教員一人ひとりが常に緊張感を持って、自己の資質能力の向上の為に一層研鎮を積むようにするため」に導入されたものである。この導入理由にすでに疑問がある。
この制度が検討されていた段階で、すでに各都道府県では教育センターなどで研修を受けることができていた。無料で出張扱いであるが、自由参加なので、忙しい日常の業務を離れて参加することが難しいのが難点ではある。他に、初任者研修、2年次研修、3年次研修、5年経験者研修、10年研修もある。これらは強制的で、全員が受講しなければならない。
この制度に対する疑問は山ほどある。
導入当初に言われていた不適合教師の排除には、なんの役にも立たない。5日間毎日90分×4コマの講義を受けて、試験を受けて終り。これでどうやって不適合教師を見つけろというのか。
講義内容は、文科省の最新の方針と大学の論文を基にした最新事情が中心。現場から乖離した話が多く退屈であるとはいうものの、これはこれで全く役に立たないわけではないが、どうしてここで聞かねばならないのかが不明。私の専門の地歴・公民に関する講義は1コマのみ。必要な時間を確保するために、しかたなく体育や国語まで選択。何をしているのか、全くわからない苦痛な時間であった。アクティブラーニングについて座学で学ぶ、という矛盾。「自己の資質能力の向上の為に一層研鎮を積む」になっていない。
(やってみて分かったことだが、一つの大学ですべての講座を受講するのではなく、いろいろな大学で興味のあるものを受講すれば、まだましだったも知れないが、これも別に10年に一回学ばなければ免許が効力を失うという要件になるとはとても思えない)
要は、開講大学の臨時収入を確保するのが、この制度の唯一の利点ではないか。実際に講義の中で「みなさんのおかげでこのプロジェクターを購入しました」と言っていた。
今回認められた更新の期限は10年。つまり、64歳まで。はっきり言って次は絶対に更新しない。万単位の金を出して無駄な講義を受けることに、経済的にも体力的にも64歳の身が耐えられるとも思えない。ということは、多くの教員が再任用を退職する。以後免許は失効するので、講師不足になることは間違いない。
早く廃止するか、大きな見直しをするかしなければ、学校運営にマイナスの影響が出る。ここに予告しておく。
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