「希望の友」とみなもと太郎の思い出

子どもの頃、すでにキングもチャンピオンもマガジン、サンデー、ジャンプすべて発刊されていた。しかし我が家に配達されるのは「希望の友」であった。当時はよその家と違うことが引け目を感じさせるときもあったが、現在一部ファンから「伝説の少年誌」扱いされていると聞くと少し誇りにも思えてくる。

横山光輝さんの「三国志」は連載当時から読んでいた。コミックスも一巻から買って持っていた。発売当初のカバー意匠は現在のものと違い、一巻と二巻だけは背表紙が白かったのを覚えている。三巻から現在の意匠になりそのときに一巻と二巻も統一された。私は古い意匠が好きだったのでいつまでも持っていた。あれは実家にまだあるのだろうか。「三国志」の前には「水滸伝」も連載されていてこれもコミックスを持っていた(家の近所の医者の待合に今でもあって懐かしい)。

それだけではない。石ノ森章太郎さんの「変身忍者 嵐」、手塚治虫さんの「ブッダ」、藤子不二男さんの「T.P.ボン」など、今から思えば名作ぞろい。たしか「魔女っ子メグちゃん」も連載されていたと記憶している。やはり「伝説の少年誌」なのである。

しかしそれよりも私が幸せだったと思っているのは、みなもと太郎さんの作品との出会いである。みなもと太郎さんは世界の名作をギャグマンガにしてしまう稀有の天才である(最近はちょっとエッチなものも画いておられるようだが)。単にギャク化しているのではない。原作のストーリー展開はそのまま。そしてさらに原作とは一味違った心地良い後味を残すのである。「レ・ミゼラブル」には映画、ミュージカルなどこれを題材にした作品がいっぱいあってそれらもよかったが、私はこのマンガが最高傑作ではないかと思っている。「シラノ・ド・ベルジュラック」「ハムレット」「乞食王子」などの物語も、みなもと太郎さんのマンガで知った。先日ロクサーヌという外国人女性と知り合い、「シラノ・ド・ベルジュラックを読んだことがある」といったらものすごく喜んでいた。みなもとさんのおかげである。みなもとさんは他にも「モンテクリスト伯」をマンガにしておられる。今あげたものはすべて、我が家にコミックスで存在した。

先日のこと。みなもとさんの「風雲児たち」の存在を知った。厳密に言うともともと知っていたが初めて関心を持って読んだ。複雑な江戸時代の人間模様を題材にして、みごとにギャグマンガにしてしまっている。やはりこれは並大抵の才能ではないと思う。なぜこんな人がさほど有名でない作家で収まっているのだろう。もったいない。

この人を「希望の友」と同じように「伝説の漫画家」で終わらせたくない。そういう思いで一文をしたためた次第です。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

近江の以外と知られていない名所

再び、近江シリーズである。近江の国にはあまり知られていない名所がいくつかある。それをご紹介したい。

まず、「石塔寺」(東近江市石塔町)である。阿育王山の山号をもつのは、この寺の中心となる三重塔がインド・マウリア朝の阿育大王が作った八万四千塔のうちの一つという伝説があるからである。行ってみれば分かる。中央の三重塔(重要文化財)に向かう石段から始まる無数の石塔。石段の上の風景は、司馬遼太郎をして「最後の石段をのぼりきったとき、眼前にひろがった風景のあやしさについては私は生涯わすれることができないだろう」(歴史を紀行する)と言わしめたのも納得できる異風である。伝説はインドであるが、実際の塔は韓国の百済様式という国際的な遺跡である。京都の化野念仏寺も石塔と石仏が無数にあるが、天台宗と念仏宗の違いなのだろうか、石塔寺のほうがあっけらかんとした明るさを感じる。

次に、「奥琵琶湖パークウェイである。絶景である。琵琶湖は大きく平坦な風景が多く、風景に迫力を求めてもなかなかないのだが、ここは別格である。この道は平成元年まで有料だったが、現在は無料。葛籠尾崎の先端が一番だが、残念ながら駐車場からの遊歩道が閉鎖されていた。もったいない!是非復活を願いたいものである。

次に、「醒ヶ井宿~県立醒ヶ井養鱒場」である。なかなかこんなに落ち着いた場所はない。秋の紅葉の時期は特にすばらしいが、地蔵川流れる生きた江戸集落のたたずまいと、鱒料理を堪能できる設備のマッチアップは子どもにはちょっと分からない魅力だろうと思う。

さらに高島市マキノ町「在原」の茅葺家屋群である。在原業平の隠居所との伝説のあるここは、重要伝統的建造物保護地区にはなっていないが、十数件の茅葺き家屋が残っており、日本の農村風景を堪能できる。「業平そば」もすばらしい。

近江のすばらしさは、どこまでも手つかずの無理をしない「ほったらかし」感にあるというのが私の持論である。思い出し次第本文を訂正し増やしていきます。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

変わった名字

 教師をやっていると、多くの人に出会う。変わった名字の生徒に出会うこともたびたびある。以前から、教員生活の中で出会った方、それ以外のことで出会った方のお名前をまとめてみようと思っていた。実際に出会ったことのある人限定。さあ、やってみよう。

(思いだし次第増やします。)

阿迦井(あがい)   滋賀県守山市赤野井町の名前

鐙(あぶみ)

阿部羅(あべら)

安楽(あんらく)

五十棲(いそずみ)

一木(いちき)

井門(いど)

禿(いなづか)

今在家(いまざいけ)

祝迫(いわさこ)

采女(うねめ)

雲林院(うんりんいん)

蛭子(えびす)     山口県のご出身でした。

大地(おおぢ)

乙須(おとす)

鏡畑(かがみはた) 

蚊野(かの)     

上垣内(かみがいち)

亀苔(かめのり)

勘坂(かんざか)   富山に多い。

雲(くも)        滋賀県甲賀市甲賀町の名前

纐纈(こうけつ)    岐阜県に多いと聞きました。

興梠(こうろぎ)

小鯛(こだい)

金銅(こんどう)

齊戸(さいと)             滋賀県守山市欲賀に多いです。     

座光寺(ざこうじ)

流石(さすが)

属(さっか)

完甘(ししかい)

〆(しめ)

十一谷(じゅういちや)

十二里(じゅうにり) 滋賀県守山市十二里町に多い。

田井中(たいなか) 滋賀県東近江市能登川町に多い。

●(くさかんむりに)父 (たんぷ) 熊本にあるそうです。

丹菊(たんぎく)

道明(どうみょう)

十一(とかず)

土老(ところ)

頓宮(とんぐう)

八里(はちり)    滋賀県甲賀市甲南町に多い

泥谷(ひじや)

屏風(びょうぶ)

日和佐(ひわさ)

福造(ふくぞう)

馬杉(ますぎ)   

厩本(まやもと)

朏(みかづき)   

文字(もんじ)

万木(ゆるぎ)   滋賀県高島市安曇川町に同じ大字がある。

緩利(ゆるり)

吉戒(よしかい)

| | コメント (1) | トラックバック (1)

卒業式ライブに思う

 卒業シーズンである。

 学校最大の行事はといえば学園祭でもクラブ活動でもない。卒業式である。教師にとっても生徒にとっても、「この日のために3年間やってきた」という大きな記念日である。教師の最大の幸福は、卒業式を迎えられることではないか、とさえ思う。

 その卒業式に最近大きな変化が起こってきているらしい。「卒業式ライブ」というのがそれである。去年、京都市立西京高校にAIが来て「Story」や「Believe」を唄ったと聞いたときは、「なんと!」と驚いた。確かにあの歌は卒業にぴったりのメッセージが込められている、と思ったからである。「なんて幸せな生徒たちなんだ」とさえ思った。また、Gacktも兵庫県立舞子高校に招かれて唄っている。阪神大震災の時からメッセージ交換があって、今回の出演となったらしい。

 しかし今年に入って、「EXILEがメンバーの母校・長崎県立佐世保東翔高校でコンサート」だとか、「川嶋あいが久宝寺中学で卒業式ライブ」だのと聞くと、何のためにやっているの?と疑問が湧いてきた。なにか普段から深い関係があるわけでもなさそうだ。川嶋あいは、卒業式ライブして欲しい学校を募集し、一年に一カ所選んで今年で3年目らしい。EXILEの新ボーカルの出身校だからというのは分かるようで分からない。EXILEがメンバー全員の出身校を回るわけでもあるまい。よく考えたらAIの事に感動したのは、私が彼女のファンだからに他ならない。ファンでなければ迷惑なだけだ。

 いうまでもなく卒業式の主役は、第一に卒業生、第二に3年担任と卒業生の保護者である。卒業生の学校生活を支えてきた担任・保護者が卒業生を送り出すのが卒業式であり、卒業生が担任・保護者に感謝するのが謝恩会である。この三者以外が割り込むからにはよっぽどその学校の取り組みと深い関係にあるべきである。そうでないと主役を食ってしまう。もし卒業生がそれでもいい、というなら「それなら卒業式や謝恩会はやめだ」といいたい。「誰のための卒業式・謝恩会か。君たちが目の前にいる教師と学校から旅立つためだぜ。それになんで無関係なアーティストの手を借りなきゃいけないのか」歌手のコンサートなんか自分で勝手に行けばいいのである。いい歌唄っているからといって割り込む資格なんかないのである。そのいい歌はこっちでかってに歌うから。

 最近、「卒業ライブ」を商売にするサイトを見つけた。実に不快である。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

グーグルアース日本版を試してみた。

「グーグルアース日本版(地理)総集編1」ここが最新の総集です。

http://yojinn.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_f2b1.html

    Google Earth日本版をインストールして見た。まあこれが面白い。場所(経緯度)を指定したらそこを目指して地球が回り、急速でズームイン。「これは社会の授業に使える」と思い試しにいろいろ探してみました。今は地理を担当しているので今回は地理の地形編

大地形

       広がる境界   東アフリカ大地溝帯      0°36'31.77"S 36°14'20.66"E

       ずれる境界   サン=アンドレアス断層    38° 2'46.31"N 122°46'3.67"W

       ホットスポット 天皇海山群          41° 0'46.30"N 169°36'1.56"E

       安定陸塊    エアーズロック        25°20'47.40"S 131° 2'5.50"E

      

 小地形

       円弧状三角州  ナイル川デルタ       30°33'49.02"N 31°13'4.77"E

       カプス状三角州 ティベレ川デルタ      41°44'58.67"N 12°14'29.09"E

       鳥趾状三角州  ミシシッピー川デルタ    29° 6'23.25"N 89°16'0.56"W

       三角江     テムズ川三角江       51°31'43.20"N  0°35'15.47"E

       リアス式海岸  リアスバハス海岸      42°27'27.14"N 8°56'43.40"W

       フィヨルド   ソグネフィヨルド      61°12'39.83"N 5°47'50.89"E

以上の経緯度をそのまま「検索」の「ジャンプ」タブの空欄にペーストして、その右の虫眼鏡をクリックして下さい。

ちょっと探しただけでこれだけ見つかりました。他に知っている方おられましたら、お教え下さい。

こちらもどうぞ

「Google Earthで地理ネタを拾う2」

http://yojinn.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_0781.html 

「Google Earthで地理ネタを拾う3」

http://yojinn.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/google_earth3_c635.html

| | コメント (0) | トラックバック (0)