ある日のこと。ふとしたことでNEXCO西日本グループの吹田SA情報をみる機会があった。
http://www.w-holdings.co.jp/sapa/index.php?institution_id=2004
そこには「名神高速道路初のサービスエリアです。」との表現があった。
「待てよ。日本で初めてのSAは大津SAやと聞いたことがあるぞ」そう思った私は、さっそく調査を開始したのである。
まず同じNEXCOのSA・PA情報の大津SAをみるとそのことには触れられていない。しかしいろいろ調べてみると、名神高速道路は日本初の高速道路で、1963年7月16日に栗東~尼崎間が開通。大津SAは、1963年10月1日オープンということが分かった。
ということは吹田SAは1963年7月16日~10月1日の間にオープンしたことになる。しかし、いくら探してもそんな情報はネットにはない。そこで思い切って吹田SAに電話してみた。
「つまらない質問ですみません。吹田のSAは日本で最初のSAだとHPにありますがそれでよろしいんでしょうか?」
「はい。その通りです。」(明るい女性の声)
「大津SAは1963年10月1日オープンですが、吹田SAのオープンはいつですか?」
「え~と、ちょっとお待ち下さいね。え~っと … 1965年7月9日ですね~」(ちょっと困った様子)
「ということは大津の方が早いんですね?」
「ということになりますね~。 お調べいたしまして折り返しお電話させていただきます。私たちも勉強になります~」ということで、電話待ちということになったのである。
ところが約束の時間になっても電話がかかってこない。やむを得ずこちらから電話。
「お仕事中すみません。先ほど吹田SAのオープンについてご質問させて頂いたものですけども」
「ハイ。」(明らかに不機嫌そう)
「先ほどの件いかがでしたでしょうか?」
「担当の者に問い合わせていますがまだ返答がありません。そちらから電話して頂けますか?」(さらに不機嫌なご様子)
NEXCO西日本のお客様サポートの番号を教えてもらってかけてみた。
「すみません。日本で最初のSAはどこですか?」
「大津SAです。」(さわやかな即答)
なんということか!こんなにすぐに分かることをこっちに振るなんて!吹田SAが日本初でないことが証明されて動揺したに違いない。
「じゃぁ吹田は2番目ですね?」という私の質問に担当者の方は「2番目かどうかは~ここではわかりません」とのこと。
しばらくの間、大津が最初だということでいいかと思っていたのだが何か気になる。吹田は2番目なのだろうか?
名神高速道路は、1964年4月12日に栗東~関ヶ原間が供用開始。この間には多賀SAがある。さらに同年9月4日に関ヶ原~一宮間が供用開始。この間には養老SAがある。こっちのほうが早い可能性がある!(東名は1968年とだいぶ遅いのでらち外)
多賀SAに電話。「1964年4月12日オープンです。」多賀町のHPで確認http://www.tagatown.jp/
養老SAに電話。「1964年9月4日オープンです。」養老町HPでは未確認ながらも、おそらく間違いはないだろう。
つまり、吹田SAは、日本で4番目のSAなのである!
この事実は、ウィキペディアのそれぞれの項目に記載させて頂いた。
ネットというのは怖いものである。そこに記載されている「事実」は不確定なものでも確定的な事実として一人歩きをする。今後も注意したいと思った出来事であった。
《追記》
ここまで書いて気がついた。
「名神高速道路初のサービスエリアです。」という表現は、「名神高速道路に乗ってはじめて出会うSAです」という意味なのだろうか?それならあっている。(名古屋方面から来たら最後のSAだけど)
ついでに言うとNEXCO西日本も大津SAが日本最初のサービスエリアだということは認識している。
http://corp.w-nexco.co.jp/corporate/release/hq/h18/0912a/
じゃあなんで吹田SAの方はあんな勘違いをしていたのだろうか?!
よけいに分からなくなってきた。
(追記)
冒頭に引用したNEXCO西日本の吹田SAのページは「名神高速道路に乗って最初のサービスエリアです。」と訂正されています。NEXCO西日本の誠意を感じます。
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